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位牌の話(5) 位牌は仏教のものですか

仏教や仏壇の解説本の中には「位牌は儒教由来のもので、本来仏教のものではない」と記すものがあります。

現在見る位牌の起源のひとつは儒教における神主(しんしゅ)・木主(もくしゅ/ぼくしゅ)であると考えられていますが、同様に百ヶ日、一周忌、三周忌という法要も儒教由来のものです。

歴史上のお釈迦様の教えの中には先祖供養や追善供養という考え方はありませんが、大乗仏教が生まれた時には、生まれ変わりの思想の中での地獄が意識されはじめ、中国に仏教が伝わった以降、仏教と儒教の思想がミックスされ、仏教と先祖供養が一体化しました。

日本に伝わった仏教は、当初から先祖供養、例えば盂蘭盆会(お盆)と一体化したもので、閻魔大王のお裁きを説く「十王経」から生まれた十王思想は、日本では十三仏思想に変化するなど、日本の仏教は日本の風土にあった内容のものとなりました。

位牌祭祀は、私たち日本人の死生観に深く結びついた仏具です。